ある日、私は地域の福祉事業所で働くことになりました。最初の仕事は、認知症を抱える利用者さんとその家族のサポートでした。その中で私が特に心に残ったのは、利用者さんの奥様である神田さんの存在です。
神田さんは、自分の旦那さんが認知症であることを知りながらも、同じように苦しむ他の家族に力を与えたいと考えていました。彼女は認知症の方々とその家族が集まる場所を作りたいという願いを抱いていたのです。
私は地域の包括支援センターと協力し、神田さんのアイデアを実現するための調整を行いました。少しずつ、神田さんが望む認知症の方々とその家族の会が形作られていきました。
神田さんは、会に参加する人々の話に耳を傾けました。彼女は日々、彼らの経験談を聞き、共有することで新たな創造力を引き出そうとしました。彼女は認知症の方々やその家族との交流の場を広げたいと願っていました。彼女は畑を作り、野菜を育てる会や花を植える会なども企画しました。
認知症の方々とその家族が集まる会は、参加者たちに心の支えとなりました。たとえ旦那さんが認知症で失敗をしてしまっても、怒ることなく静かに片付けられるようになったのです。
私も毎週、この会に参加しました。そして、私が離れる際には、参加者たちから温かいメッセージが書かれた色紙をもらいました。その瞬間、私は自分にしかできない福祉の住環境や福祉用具のサービスを提供していく決意を固めたのです。
これからも私は、喜んでもらえるサービスを考え続け、人々のつながりを大切にしていきたいと思います。神田さんのように、他の人の力になることができるよう、一歩ずつ前進していきます。