私の過去の利用者様の話になります。
その利用者様は、ALS疾患をお持ちの男性が奥様と2人で暮らしており、ご夫婦には大切に育てた娘様二人がおられ、結婚を控えていました。
しかし、ALSの男性は介護ベッドがなければ結婚式に出席することができませんでした。そこで、ご夫婦は、街の福祉用具レンタル会社に複数連絡をしましたが、結婚式場への納品は難しいと言われてしまい断られるばかりでした。
私に連絡が寄せられた時、そのご夫婦が娘たちのことをいかに思っているかを感じどうしても結婚式に出席したいという気持ちを強く感じました。
私自身も結婚の話があり、親子の絆について深く考える時期でもありました。
そこで、会社的には難しいと理解しながらも、上司に相談しました。やはり事故やリスクの問題で難しいとの返事を受けました。しかし、私はご夫婦の願いを叶えたいという思いが強く、事故を回避するための対策を考え、上司と交渉を続けました。結果として、結婚式場にベッドを納品することができました。
男性は結婚式に無事に出席することができ素晴らしい結婚式を迎えられました。
結婚式の翌日、私はベッドの引き上げの件で再度、彼と奥様にお会いしました。 その時に、ご夫婦から涙ながらに感謝の言葉を述べて頂きました。 その瞬間、私は自分がお客様の願いを叶えることで、人々の喜びや感動に関わることができることに心から喜びを感じました。
その感動は今でも私の中に残っており、仕事の中で困難な時にも私を支えてくれています。お客様の笑顔や感謝の気持ちを受け取りながら、私は自身も成長し、励まされています。